2018年06月17日

人気急成長『KALDI』に学ぶ、“販売戦略の間違い”。


<VOL.745>


珈琲豆を喫茶店に卸す焙煎業として創業した
『KALDI COFFEE FARM』。

いまでは、幅広い輸入食材を扱うお店として、
人気急成長しています。

1986年に1号店をオープンして以来、
順調に業績を伸ばし、
全国400店舗にまで拡大しています。

店頭で珈琲が無料サービスされることで話題となり、
珈琲を飲みながら店内を見てまわるのが、
ここのスタイルとなっています。

カルディは、「眺めているだけで、
好奇心が湧いてくるような活気あるお店」
を目指していますが、まさにその通り、
店内には珍しい海外の食材が並び、
お客さまは初めての“出逢い”にワクワクします。

私もその中のひとり。

陳列棚の端から端まで、じっくりと見てまわり、
気づけばカゴの中には数々の商品が。

見ていて、楽しい。食べてみたいと思う。
つい買ってしまう。それが、カルディです。

グローバル化の時代と言っても、
日常生活で出会う食材は、
それほど変化に富むわけではありません。
まだまだ知らないものばかりです。

知らないものは、もっと知りたい。

カルディは、そんな欲望を叶えてくれる、
他にあまり存在しないお店です。

人気が出るのは当然。
成長拡大も容易に予想できました。

しかし、何度も足を運ぶ私は、最近、
自身が購入する量が減っていることに気がつきました。

店内を楽しく見てまわっているつもりですが、
なぜかカゴの中は少ないのです。

私が飽きてしまったのでしょうか。

陳列棚には、相変わらず海外の面白い食材が
並んでいるのですが、どうやら、その食材を手に取って、
説明文を読んだ時に興味を失っているようです。

最近のカルディ商品には、
「KALDI」のマークの入ったものが増えています。

カルディがオリジナル商品として開発したものですが、
その説明文に“買わない秘密”がありました。

たとえば、チュニジアやモロッコで
使われる調味料「ハリッサ」。

パプリカをベースにしたペースト状の調味料で、
甘酸っぱい風味で香辛料が効いています。

クスクスや煮込み料理に使われるものです。

非常に珍しいので、興味がそそられるのですが、
日本のメーカーで作られています。

日本で作るとなると、原料が違い、
味も日本人が食べやすいように変えてしまいます。

これでは、本当の味を知ることはできません。

製造元が日本のメーカーだとわかった時点で、
棚に戻してしまうのです。

カルディには、最近この手の商品が増えています。

イタリアの○○、フランスの○○、タイの○○という
ラベルをつけていても、
裏には「製造:株式会社××商店」とあります。

日本人が食べやすい商品を作る、
という姿勢は理解できるのですが、
初めて見る商品は本来の味を知りたいものです。

食べやすい方が良いと考えるお客さまもいるでしょうが、
「面白い食材を探しに来ているマニア」は、
それをカルディに求めてはいません。

どちらかと言えば、“マニア客”の方が多いはずです。

もし、オリジナルを作るのであれば、
現地のメーカーに頼むべきなのです。

バイヤーとしては、日本のメーカーに依頼する方が、
商品化は楽かもしれませんが、
それでは“似た商品”ができるだけです。

「海外輸入食材」が売りのはずです。

日本のメーカーに偽物を作らせるのは、
戦略の間違いだと考えます。

お客さまがカルディに求めているものは何か。

それが「輸入食材」であることを
思い出して欲しいものです。

posted by 佐藤きよあき at 09:14| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月10日

地域とともに生きる! それが商売人の使命。


<VOL.744>


おばあちゃんの原宿「巣鴨」。

ご存知のように、
高齢者と言っては失礼なくらいに元気な
おばあちゃん・おじいちゃんが
たくさん集まってくる場所です。

その一角に、“地域の人びととともに生きる”
「巣鴨信用金庫」はあります。

古くさいキャッチフレーズを
紹介しているのではありません。

本当に地域に貢献しているのです。

とげぬき地蔵尊の縁日にあたる
「4」のつく日の営業日には、
金庫利用者ではない一般の人にも、
店内を解放しています。

地蔵尊界隈にはトイレが少ないためです。

さらに、誰もが気軽に休憩できるように、
建物3階を「おもてなし処」とし、
お茶やお菓子を振る舞っています。

また、日常的なサービスとしては、
マスクや咳をしている人には、
キャンディを渡す心配りまで。

月に1回は、「お楽しみ演芸会」も開催しています。

巣鴨という場所柄もありますが、
気軽に入ることができ、自分を大切にしてくれるので、
店内はいつもお年寄りばかり。

お年寄りに愛される金融機関なのです。

口座を開設している年金受給者には
プレゼントを渡したり、
年金の無料宅配サービスまで行っています。

年1回の誕生日プレゼントは、
お年寄りも楽しみにしています。

ここまで至れり尽くせりの金融機関は他にありません。

大口の預金者でもなければ、
金融機関が“おもてなし”をすることなど、
あり得ません。

それを「巣鴨信用金庫」は、ごく普通のこととして、
日常的にやっているのです。

利用者としては、
もてなされて気分を害することなどなく、
多少なりとも「預金してあげたい」
という気持ちになります。

ここは、高齢者の多い地域ならではのサービスを実践し、
人びとに愛されているのです。

大手の金融機関にはマネのできない、
きめ細かな心配りです。
いや、できるのにやらないと言った方が正しいかも。

「巣鴨信用金庫」は、高齢者だけではなく、
地元の中小企業にも優しいのです。

中小企業の技術・商品をPRする場を提供しています。

「ビジネスフェア」と題し、
中小企業と他の取引先とのマッチングを図っています。

言わば、商談会のようなもの。

地元の企業を支援することで、
いずれは自身の利益となるのです。

そのことを知っているから、
企業が苦しい時にこそ手を差し伸べ、
ともに成長することを姿勢としているのです。

調子の良い時だけ笑顔で出迎え、
悪くなると、貸し渋り・貸し剥がしをする
大手とは違います。

金も力もある大手が何もせず、
小さな存在である信用金庫が、
地域の人びとのために一所懸命に汗を流しているのです。

どちらが企業として価値があるのでしょうか。

posted by 佐藤きよあき at 08:26| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月03日

料理の写真と実物がまったく違うのに、なぜ「ガスト」は集客できるのか?


<VOL.743>


ファミレス「ガスト」のテレビコマーシャルや
ポスター、メニュー表では、
実に美味しそうな料理が紹介されています。

しかし、期待して注文すると、そこに運ばれてくる料理は、
「???」なものが多いと言わざるを得ません。

このことはネットでもよく話題になります。

私も一度、あまりにも写真と違うものが出てきたので、
クレームを入れたことがあります。

ですが、その後改善されている気配はありません。

なのに、ファミレス業界では、
ダントツNo.1の地位を保っています。

なぜ、そこまでの集客力があるのでしょうか。

圧倒的な美味しさを提供しているのかというと、
決してレベルは高くありません。

サービスが優れているのかというと、
パートとバイトで賄っているので、
必要最低限でしかありません。

集客できる秘密は、
「メニュー構成」と「店舗数」にあると私は見ています。

ファミレスの事業規模の上位は、
「ガスト」「サイゼリア」「ジョイフル」「ココス」
「デニーズ」「バーミヤン」「びっくりドンキー」
「ビッグボーイ」「ロイヤルホスト」といったところ。

その中で、和食と洋食が混在した、
昔ながらのファミレスは、
「ガスト」と「ジョイフル」しかありません。

他は、パスタ、ピザ、ハンバーグ、
中華などに片寄っています。

和洋の混在は、客層の幅を広げます。
つまり、小さな子どもからお年寄りまでが、
一緒に利用できるのです。

昔はこのタイプのファミレスばかりだったのですが、
戦略としてはターゲットを絞り込んだ方が
集客力が高くなるので、
メニューも絞り込まれるようになりました。

その結果、世の中には専門店が増えたのです。

「これが食べたい」と思えば、
その専門店に行けば良いのです。

しかし、食べることは“ルーティン”でもあります。
好みに関わらず、毎日食べなければなりません。

食べたいものが浮かばなければ、
“適当なお店”を選ぶことになります。

それが、「ガスト」なのです。

和洋があり、日替わりランチも安い。
サラリーマンには非常に助かる存在です。

また、女性ウケするサラダの種類も多く、
おしゃべりに最適なドリンクバーも充実しています。
デザートも多数揃っています。

子ども向けには、
キッズメニューやおもちゃがもらえるセットもあります。

平日午後3時以降は「ハッピーアワー」として、
アルコール類が249円(税抜き)となり、
つまみも199円(税抜き)と299円(税抜き)が
揃っています。

とにかく、メニュー構成がきめ細かいのです。

これほど幅広い客層に対応したファミレスは、
他にありません。

そして、集客できる大きな要因のもうひとつが、
店舗数です。

全国で1,366店(平成30年4月30日現在)と、
圧倒的な数なのです。

お店が多いということは、何を食べようかと迷った時に、
すぐそこにお店があるということです。

身近にあって、手軽に利用できる。
その利便性が、「ガスト」の強みなのです。

言い方を変えれば、他に適当なお店がないから、
仕方なく利用しているのです。

「ガスト」を批判しているのではなく、
それが「ガスト」の役割になっているのではないか
と考えます。

もし、似たようなメニュー構成の「ジョイフル」が、
店舗数を急激に増やすことができれば、
No.1の座は奪われるかもしれません。

しかし現状では、料理写真と実物が違うと知っていても、
「ガスト」を利用してしまうのです。

posted by 佐藤きよあき at 09:07| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月27日

「○○専用」が利益率を上げる!?


<VOL.742>


「玉子焼き専用」「親子丼専用」「オムレツ専用」
「カルボナーラ専用」。

これらが何を差しているか、わかるでしょうか。

調味料だと考える人もいるでしょうが、
実は“玉子”なのです。

料理によって使い分けるようになっている
“専用玉子”です。

そこまで味の違いがわかるのかどうか、
という疑問はさておき、
一流の料理人や料理好きの人であれば、
興味を持つのは当然のことです。

味を追求するなら、試す価値は充分にあります。

他にも、「目玉焼き」「ゆで玉子」「温泉玉子」
「ピカタ」「ケーキ・お菓子」など、
業務用・家庭用合わせて、
70種類以上の玉子があります。

玉子を専門に扱う会社が、養鶏場と提携して、
“専用玉子”の開発・販売を手掛けているのです。

鶏に与えるエサを替えることで、
玉子に微妙な違いを作り出しています。

「ゆで玉子専用」の鶏には、わかめやさつまいも、
すだちを与え、「ケーキ・お菓子専用」の鶏には、
ハーブを食べさせています。

これにより、黄身が濃厚になったり、あっさりしたり、
食感が良くなったりするのです。

このように「○○専用」とすることで、注目を集め、
興味をそそり、高値で取り引きできるようになるのです。

エサを替えるという手間が増えるだけで、
普通の玉子の数倍の価格で売れるのです。

また、普通の玉子は、
セールの目玉賞品という辛い立ち位置があるため、
食品としての地位はかなり低くなっています。

しかし、専用化することで、
高くても売れる食品になることができるのです。

生産コストが若干上がるものの、
手間は従来とさほど変わらないため、
利益率が大幅にアップするのです。

同じような手法で収益を増加させている業界があります。

醤油の醸造メーカーです。

こちらも「○○専用」をたくさん生み出しています。

「玉子かけご飯」「焼き魚」「ぶっかけうどん」
「アイスクリーム」「カルパッチョ」「ヨーグルト」
「パン」「かき氷」「プリン」「餅」……。

これらの専用醤油を150〜200ml、
250〜500円程度で販売しています。

1L入りペットボトルで
200〜400円程度の醤油と比べると、
やはり数倍の利益率となります。

開発の手間や時間は掛かるものの、
少量の商品であるため、
生産はかなり効率的なものです。

「○○専用」は、利益率の高い商品となります。

あなたの扱う商品の専用化を考えれば、
収益の改善が図れるかもしれません。

posted by 佐藤きよあき at 08:52| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月20日

試す価値あり! 「ハート」の集客力。


<VOL.741>


「ハート」の形をしているというだけで、
世界中の人びとを魅了する場所があります。

波で浸食された岩。
巨大な切り株の空洞内部。
海岸の入り江。
小さな島。

自然の力によって偶然形成されたそれらは、
なぜか人びとの注目を集め、
いつの間にか観光地化しています。

また、遊び心で「ハート」をモチーフにしたことで、
集客に貢献している場所もあります。

北海道の「夫婦愛の鐘」というモニュメント。
長崎県の旧グラバー住宅付近の敷石のひとつ。
同じく長崎県・眼鏡橋付近の石垣のひとつ。

「ハート」をつけた神社の鳥居や
「ハート型」に刈り込んだ花壇、
絵馬を「ハート型」にしている神社などもあります。

人びとは、愛の象徴でもある「ハート」を見つけると、
理屈など関係なく、嬉しくなってしまうものです。

ひと目見るため、SNS用写真を撮るために、
出掛けて行くのです。

町おこしの話をしようというのではありません。

「ハート」は、
個人商店でも活用できる集客アイデアなのです。

たとえば、京都府宇治田原町にあるお寺が、
「ハート」によって観光客を増やしています。

集客のために「ハート」を使ったわけではなく、
意図せず、人を集めてしまったのです。

数年前に、お茶会に使う客殿を新築する際、
約1400年前から日本に伝わる厄よけ文様を
窓に取り入れました。

「猪目(いのめ)」と言われる文様なのですが、
それが「ハート型」なのです。

この窓越しに見る景色と
部屋の雰囲気がじわじわと話題になり、
人びとが押し寄せているのです。

窓が「ハート型」というだけです。

これほど「ハート」に集客力が期待できるのなら、
あなたのお店にも、
「ハート」を取り入れてみても良いのでは。

飲食店なら、料理が「ハート型」。
服なら、「ハート柄」を集める。
ホテルなら、「ハート」だらけのお部屋。
ギフトなら、「ハート型」や「ハート模様」の雑貨。

「ハート」の集客力は、かなり高いと言えます。

試す価値は、充分にあります。

posted by 佐藤きよあき at 08:48| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする