2018年07月01日

なぜ「無料サービス」を続けるのか?ある居酒屋店主の想い。


<VOL.747>


大阪市大正区に、まぐろメインの居酒屋があります。

このお店は、「気前良過ぎる店」として有名で、
いつも常連さんで賑わっています。

一見さんで来ても、その気前良さに圧倒され、
“また来なければ申し訳ない”と思ってしまうほどです。

このお店は、とにかく「無料のサービス」が多いのです。

人気メニュー3品のうち、1品でも注文すれば、
「すき焼き」が無料で提供されるのです。

小鉢程度のものではなく、鍋で出てきます。

また、3人以上で行けば、
うなぎなどの「釜飯」もサービスされます。

他にも駄菓子や普通のお菓子、食後のコーヒー、
持ち帰り用の缶飲料も無料で振る舞われます。

ここまでサービスがあると、
1品と飲み物を注文するだけで、
充分に満足できてしまいます。

その分、人気メニューが高いのかというと、
まったくの逆。

むしろ、“安いお店”という評価がつくほど。

「トロにぎり8貫 600円」
「まぐろ中落ち 600円」
「とろカマ焼 700円」

この価格だけでも、行く価値のあるお店です。
なのに、さらに無料でサービスがついてくるのです。

なぜ、そこまでサービスをするのでしょうか。

店主曰く、「お客さんの喜ぶ顔が見たい」。

あまりにも型通りで、
いまどきそんな商売人がいるのか
とさえ思ってしまいます。

しかし、店主はいたって真面目、本気です。

売りにしているまぐろは、
親しくしているまぐろ問屋から仕入れてますが、
安くしてもらっている分を
「少しでもお客さんに還元したい」と言います。

原価が低くなれば、利益が大きくなるのに、
この店主はそれをせず、
“お客さまの喜ぶ顔”に投資しているのです。

まさに、本物の商売人。

お客さまが喜べば、
自分も笑顔になれることを知っているのです。

posted by 佐藤きよあき at 09:30| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

「小京都」VS「小江戸」。集客力が高いのはどっち?


<VOL.746>


「全国京都会議」という組織をご存知ですか。

全国各地の「小京都」が集まり、
「小京都」としてのあり方などを話し合う会合です。

年会費も納める正式な組織です。

秋田県湯沢市、栃木県佐野市、岐阜県郡上市、
兵庫県豊岡市など、
全国で45以上の都市が加盟しています。

「以上」という曖昧な表現をしているのは、
加盟や脱退による増減が繰り返されているからです。

この組織に加盟するには、条件があります。

「京都に似た自然景観・町並み・佇まい」
「京都と歴史的な繋がりがある」
「伝統的な産業・芸能がある」

この3つの内、どれか1つに合致しており、
年1回の総会で承認された都市だけが、
加盟を許されるのです。

加盟しなければ、
「小京都」を名乗れないというわけではありませんが、
一応の“お墨つき”のようなものです。

堂々と「小京都」を名乗り、
「小京都」連合でPRすることもできます。

承認制や年会費を取るあたりに、
やや権威主義を感じますが、
それでも「小京都」を名乗ることに
集客力があると見込んで、加盟するのでしょう。

女性は「京都」が好きです。


「小京都」と同じような表現で「小江戸」があります。

ご存知のように、江戸に似た町並みに風情がある
観光地に使われる名称です。

埼玉県川越市が代表的であり、
栃木県栃木市、千葉県香取市、神奈川県厚木市、
滋賀県彦根市などがあります。

「江戸との関わりが深い町」であったり、
「江戸の風情を残す古い町並み」が、
「小江戸」と呼ばれています。

この「小江戸」たちに、正式な組織はないものの、
「小江戸サミット」という会議を開き、
PR方法などを話し合っています。

「小京都」と「小江戸」。

どちらも観光地としてのPR活動に
その名称を用いていますが、
はたして、その効果はあるのでしょうか。

「小京都」と呼ばれるところが、
いま現在賑わっているのかというと、疑問です。

数十年前なら、若い女性が憧れを抱き、
たくさん訪れているニュースも流れていました。

しかし、最近はほとんど聞かなくなりました。

いまだ賑わっているところもありますが、
それは独自の観光資源を開発したことが
功を奏しているだけで、
「小京都」という名称は表に出ていません。

「小京都」という存在が、
もう古くさくなってしまったのではないでしょうか。

遠い京都に行くのが大変だった時代の
代替地でしかないのです。

交通機関の発達で、本家の京都が近くなり、
すぐにでも行けるのです。

「小京都」は、不要な存在になってしまったのでは?

一方、「小江戸」はどうでしょうか。

いま、江戸時代の生活が注目され、
町並みや食文化に興味を持つ人が増えています。

しかし、本家の江戸は消滅しています。
よって、「小江戸」に足を運ぶ人が増えているのです。

江戸を体験するには、
「小江戸」に行くしかないのです。

この集客力は大きいのではないでしょうか。

今後ますます、観光地としての人気は高まるでしょう。

存在意義を失った「小京都」。
本家のいない代替地「小江戸」。

この勝負は、圧倒的な差をつけ、
「小江戸」の勝ちだと思います。

posted by 佐藤きよあき at 08:33| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月17日

人気急成長『KALDI』に学ぶ、“販売戦略の間違い”。


<VOL.745>


珈琲豆を喫茶店に卸す焙煎業として創業した
『KALDI COFFEE FARM』。

いまでは、幅広い輸入食材を扱うお店として、
人気急成長しています。

1986年に1号店をオープンして以来、
順調に業績を伸ばし、
全国400店舗にまで拡大しています。

店頭で珈琲が無料サービスされることで話題となり、
珈琲を飲みながら店内を見てまわるのが、
ここのスタイルとなっています。

カルディは、「眺めているだけで、
好奇心が湧いてくるような活気あるお店」
を目指していますが、まさにその通り、
店内には珍しい海外の食材が並び、
お客さまは初めての“出逢い”にワクワクします。

私もその中のひとり。

陳列棚の端から端まで、じっくりと見てまわり、
気づけばカゴの中には数々の商品が。

見ていて、楽しい。食べてみたいと思う。
つい買ってしまう。それが、カルディです。

グローバル化の時代と言っても、
日常生活で出会う食材は、
それほど変化に富むわけではありません。
まだまだ知らないものばかりです。

知らないものは、もっと知りたい。

カルディは、そんな欲望を叶えてくれる、
他にあまり存在しないお店です。

人気が出るのは当然。
成長拡大も容易に予想できました。

しかし、何度も足を運ぶ私は、最近、
自身が購入する量が減っていることに気がつきました。

店内を楽しく見てまわっているつもりですが、
なぜかカゴの中は少ないのです。

私が飽きてしまったのでしょうか。

陳列棚には、相変わらず海外の面白い食材が
並んでいるのですが、どうやら、その食材を手に取って、
説明文を読んだ時に興味を失っているようです。

最近のカルディ商品には、
「KALDI」のマークの入ったものが増えています。

カルディがオリジナル商品として開発したものですが、
その説明文に“買わない秘密”がありました。

たとえば、チュニジアやモロッコで
使われる調味料「ハリッサ」。

パプリカをベースにしたペースト状の調味料で、
甘酸っぱい風味で香辛料が効いています。

クスクスや煮込み料理に使われるものです。

非常に珍しいので、興味がそそられるのですが、
日本のメーカーで作られています。

日本で作るとなると、原料が違い、
味も日本人が食べやすいように変えてしまいます。

これでは、本当の味を知ることはできません。

製造元が日本のメーカーだとわかった時点で、
棚に戻してしまうのです。

カルディには、最近この手の商品が増えています。

イタリアの○○、フランスの○○、タイの○○という
ラベルをつけていても、
裏には「製造:株式会社××商店」とあります。

日本人が食べやすい商品を作る、
という姿勢は理解できるのですが、
初めて見る商品は本来の味を知りたいものです。

食べやすい方が良いと考えるお客さまもいるでしょうが、
「面白い食材を探しに来ているマニア」は、
それをカルディに求めてはいません。

どちらかと言えば、“マニア客”の方が多いはずです。

もし、オリジナルを作るのであれば、
現地のメーカーに頼むべきなのです。

バイヤーとしては、日本のメーカーに依頼する方が、
商品化は楽かもしれませんが、
それでは“似た商品”ができるだけです。

「海外輸入食材」が売りのはずです。

日本のメーカーに偽物を作らせるのは、
戦略の間違いだと考えます。

お客さまがカルディに求めているものは何か。

それが「輸入食材」であることを
思い出して欲しいものです。

posted by 佐藤きよあき at 09:14| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする