2018年10月14日

「しゃぶしゃぶ食べ放題」のお店が儲かる理由。


<VOL.762>


「食べ放題のお店は、激安でも儲かるのか」
「お客さまは食べ放題で元が取れるのか」。

これらは、マーケティングネタとして、
よく取り上げられるので、
その答えはあなたもご存知のはず。

儲かるかどうかは、経営次第。
元が取れるお客さまは、ほぼいません。

つまり、ある程度のお客さまが見込めるのなら、
儲けやすい業態だと言えます。

しかし、商売のコストには固定費と変動費があり、
その経費にプラスした大きな売り上げがないと、
儲けることはできません。

普通の食べ放題のお店では、調理の手数が多い上、
食材のロスも大きな問題となります。

料理人も1人では足りないでしょう。

すなわち、材料などの変動費が多く、
従業員の給料などの固定費も多くなります。

となると、売り上げの目標額も
高く設定しなければなりません。

こう考えると、
食べ放題のお店も難しい業態だと言えます。

ところが、同じ食べ放題でも、
利益を出しやすいメニューを扱うお店があるのです。

「しゃぶしゃぶ食べ放題」「すき焼き食べ放題」。

これらは、日本における商売で、
もっとも高額となる経費が極端に少ないのです。

それは、『人件費』。

料理人がいらないのです。

肉や野菜を切り分けることができれば良く、
調理をする人は不要なのです。

「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」は、
お客さまが自分で調理してくれますから。

アルバイト・パートがいれば良いのです。

料理人がいなければ、人件費は半分以下で済みます。
かなり大きな経費削減になります。

また、牛肉は冷凍なので、大量にまとめ買いができ、
仕入れ価格を抑えることができます。

さらに、この種のお店は、認知度を高めれば、
出店場所の制約が少なくなります。

空中階と言われる、
ビルの2階以上でも集客できるのです。

つまり、家賃という固定費が抑えられます。
1階の半分程度の場所が多くあるのです。

変動費・固定費が少なければ、
当然、利益が出やすくなります。

売り上げが少ない場合でも、
利益は確保しやすいということです。

経営が楽になる、というのは言い過ぎですが、
その分の労力を別のことに集中させることができます。

posted by 佐藤きよあき at 09:31| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

シニア向けビジネスは、「病院の待合室」で考えろ!


<VOL.761>


混雑する病院の待合室で長時間待たされるのは、
退屈であり、非常に苦痛でもあります。

特に、内科・循環器科・整形外科などは高齢者が多く、
“世間話”が大音量で聞こえてきます。

高齢者にとっては、病気で来ているにも関わらず、
“楽しい会合”の場となっているのです。

そこで話されるのは、まずは病気の話。

辛い病状や医師への不満、薬に関する困りごと、
通院の苦労など。

そこから話は広がって、
近所の人たちの話や不便をしている買い物の話、
行ったお店の感想、老人会での旅行の話。

次から次へと、思いつくままに話は進んでいきます。

高齢者の話には、特徴があります。

物事や人に対する不満が多いのです。

平たく言うと、文句ばかりなのですが、
聞き耳を立てていると、高齢者の生態が見えてきます。

どんなことに困っているのか。
何に悩んでいるのか。

これが、実に興味深いのです。

若い人には理解できない内容や
頷いてしまうものもあります。

知らなかった世界が、見えてきます。

これは、
かなり有意義な時間であることを実感するでしょう。

高齢者の困りごと・悩みごとが
手に取るようにわかるので、
シニア向けビジネスを考える際には、
大きなヒントとなります。

待合室に1時間もいれば、
いくつものビジネスモデルが
浮かぶのではないでしょうか。

これほどマーケットリサーチに適した場所は、
他にはないでしょう。

一度、潜り込んでみることをお奨めします。

ここから生まれたビジネスモデルは、
きっと高齢者に喜ばれるはずです。

社会貢献できるビジネスなのです。

これは余談ですが、
笑い話のネタも拾えることもあります。

患者同士の会話。

高齢男性A「元気か?」

高齢男性B「元気やったら、ここにはおらん!」

なるほど!

なお、潜入する時にはマスクを忘れずに。
加えて、診察を受ける人の邪魔になってはいけません。

posted by 佐藤きよあき at 10:00| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月30日

なぜ、あのパン屋さんはニワトリを飼っているのか?


<VOL.760>


大阪のあるパン屋さんは、
お洒落でユニークで美味しいお店として、
いつもお客さまで賑わっています。

人気の秘密は、
徹底して作り込まれた“演出方法”にあります。

お客さまがパン屋さんに求める理想像を
事細かく実像化しているのです。

お客さまの理想は、次のようなもの。

●洗練されたお洒落なお店、というイメージ。
●こだわりを持って丁寧に作っている、というイメージ。
●常に新しいことに挑戦している、というイメージ。
●メッセージ性のある革新的なお店、というイメージ。

お店に対し、こうしたイメージを一度持ってしまうと、
お客さまはお店からの提案を
無条件で受け入れるようになります。

悪く言えば洗脳、
よく言えば信頼しきっている状態になっています。

相手を信じていれば、
そのすべてが魅力的に見えるものです。

そこでこのお店ですが、先の“イメージ”を
見事なまでに作り上げているのです。

具体的には……

早朝から開店し、
美味しそうな匂いの焼きたてパンがたくさん並び、
しかもイートインで美味しい珈琲も飲めます。

パンはハード系から総菜ものまで、
約60種類もあり、米粉パンも。

時には、バターチキンカレーを包んだ
「カレーライスパン」やベトナムのサンドイッチ
「バインミー」をアレンジしたものなど、
ひとひねりした商品も提供しています。

珈琲豆は、知る人ぞ知る専門店で焙煎してもらい、
熟練のバリスタが丁寧に淹れてくれます。

また、店舗へのこだわりも強く、表に立つ看板は、
チョークアートのプロに依頼し、店内壁面のペイントは、
美術作家の手によるものです。

さらに、ケータリングや料理教室、
ワークショップも開催し、
お客さまとのコミュニティづくりも
積極的に行っています。

加えて、このお店にはメッセージ性もあります。

素材・食材の出所をオープンにすることで、
安全・安心をアピールしています。

産品販売所などでよく見掛ける、
「○○さんのキャベツ」などという表示です。

「○○農園のレモン」「○○酒造の酒粕」
「○○養鶏場の鶏肉と卵」「○○ファームの伝統野菜」
などと表示しています。

これを見たお客さまは、
作っている人がどんな人かを知らなくても、
その存在を示すことで、安心するものです。

このお店では、こうした情報を店頭だけではなく、
SNSでも流しています。

「○○農園から、玉ねぎが届きました」
「○○農園のレモンを使った新作パンです」

実に上手いアピールです。

最後にもうひとつ。

このお店では、実験的にニワトリを飼っています。

毎日生む新鮮な卵を使うためです。

数が少ないので限定数となりますが、
それがまたお客さまの感動を生んでいるのです。

いずれは養鶏場も作ってしまうのかもしれません。


このお店がやっていることのすべてが、
ユニークで驚きのあるものです。

繁盛店づくりのお手本のようなお店だと言えます。

このお店をマネすれば、
即、繁盛するのではないかとさえ思えます。

行列を作るためのアイデアのすべてを
実践しているのではないでしょうか。

posted by 佐藤きよあき at 09:05| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月23日

なぜ、“1個850円の卵”に予約が殺到するのか?


<VOL.759>


埼玉県・秩父にある養鶏場には、
1個850円の卵があります。

1パック850円でも高いと思いますが、1個850円です。

この卵に予約が殺到し、
最長2ヵ月待ちになることもあるそうです。

想像をはるかに超える価格に驚くばかりで、失礼ながら、
何か「からくり」があるのではないか
と思ってしまいます。

そんな高額な卵を生む鶏は、
シャモを主体とし、数年かけて改良したものです。

エサ、水、飼育方法にこだわり、
1000坪の敷地に2000羽のみを放し飼いにしています。

その中でも、この高級卵を生む鶏は150羽程度。
希少性が、高額な理由なのでしょうか。

高級な卵を作っている養鶏場は他にもありますが、
ここまで極端な価格にはしていません。

一般に広く知られる「ヨード卵・光」は、1個60円程度。

「天美卵(てんびらん)」「特選太陽卵」
「伊勢の卵・赤玉」という、
“卵界”で知られたものは、100〜130円。
青い卵として有名な「アローカナの青い卵」で、
160円程度。

そして、「神果卵(しんからん)」
「身土不二(しんどふじ)・青玉」というものは、
330円程度。
いわゆる“高級ブランド”です。

1個850円は、そんな有名ブランドをも
はるかに突き放すほどの価格です。

なぜ、そこまで高額でも売れるのでしょうか。

その理由を調べてみると、
中途半端なこだわりではないことがわかりました。

まずは、エサの違い。
とうもろこしを主体に、魚粉、海藻、天然ミネラル、
カルシウム、漢方薬など、
25種類をブレンドしたものを与えています。

ここで使っている天然ミネラルとは、
2億年前から海底に堆積している天然成分のことで、
カルシウム、リン、マンガン、コバルト、
マグネシウムなどを含有しています。

次に、水。
秩父という自然豊かな土地の湧き水や
源流水などを与えています。
汲み置きをせず、常に新しい水を飲ませています。

そして、広大な土地とストレスのない飼育数。
鶏の卵は、エサや飼育環境が味に大きく影響するので、
まさに理想的な飼育方法だと言えます。

徹底的なこだわりによって、
1個850円でも売れる卵が作り出されているのです。

こだわり抜いた卵があって、
高くてもそれを求める消費者がいます。

需給のバランスが合っていて、
優れたビジネスモデルとして成立しているのです。

しかし、私には疑問があります。
本当に850円の価値があるのかどうか。

実際に食べてみればわかるのかもしれませんが、
私は食べていません。

価格に疑問があるので、食べる気もありません。
なので、味について批判するつもりもありません。

「本当に美味しかったとしても、
 1個850円は高すぎる」という主観のみです。

リピーターはその価値に納得しているから、
買い続けるのでしょう。

しかし私は、リピーターに尋ねてみたいと思います。

「1個20円の卵と850円の卵とでは、
 そこまでの違いがあるのか」と。

そう思うのは、
私の経験と雑誌による実験データからです。

私は、烏骨鶏やヨード卵などと
1個20円の卵を食べ比べたことがあり、
その違いをさほど感じなかったのです。

弾力などの食感はそれぞれ違いましたが、
味の違いはほとんどわかりませんでした。

雑誌の実験でも、
さまざまな調理法による味の違いを調べていました。

ゆで玉子にすると、多少の違いはあったものの、
他の調理法ではまったくわからなかったのです。

こうしたことから、私は高い卵に対して懐疑的なのです。

消費者が、“高級品”という言葉に
惑わされているのではないか。

手に入らないことに価値を感じ、
味のレベルを押し上げているのではないか。

「希少なものは高く売れる」。

マーケティング的には、どこにでもある事例です。

高級ファッションブランドと同じだ
と捉えれば良いのですが、どうも腑に落ちません。

posted by 佐藤きよあき at 10:09| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月16日

なぜ、1個1万円の「四角スイカ」が売れるのか?


<VOL.758


香川県善通寺市特産の
「四角スイカ」をご存知でしょうか。

1辺18センチの真四角なスイカで、
7月初旬から中旬にかけて出荷されます。

約50年前に地元の農家で誕生し、
いまでは9軒の農家で栽培されています。

卸価格で1個1万円以上の値がつき、
京阪神や関東の百貨店、
カナダ・ロシアへも出荷されます。

なぜ、四角いスイカが
作られるようになったのでしょうか。

事の発端は、スイカが売れなくなってきたこと。

アイスクリームやキャンデーに
押されたこともありますが、
スイカの形状に問題があると考えたのがキッカケです。

核家族化が進んだことから、
スイカの大きさや形が敬遠されるようになったのです。

大き過ぎる上、丸いので、持ち運びしづらく、
冷蔵庫にも入れにくい。

この形を何とかすれば、
スイカはまだまだ売れるのではないかと考えたのです。

そこで試行錯誤の結果、
強化プラスチックに入れて育てることで、
18センチの四角いスイカを作ることに成功しました。

しかし、当初大きな話題にはなったものの、
その希少性ゆえに価格が上昇し、
一般人が買うことのできるものではなくなりました。

形状の面白さが注目されやすいことから、
ディスプレイ用としての取り引きが
主体となっていったのです。

百貨店やフルーツショップの店頭にあれば、
集客効果は充分に期待できます。

売れなくても、販促費として元は取れるのです。

それほどインパクトのある「四角スイカ」の話題は、
ネット時代のいま、当然海外にも伝わり、
欲しがるお店や個人が増えています。

いまでは、9軒で7月中旬までに生産する
約500個のうち、百数十個は
カナダやロシアに輸出されています。

ディスプレイ用として売れるようになったため、
スイカは熟す前に収穫し、
3ヵ月鑑賞できるようになっています。

つまり、食べても美味しくないのです。

それでも毎年売れ続け、
海外では数倍から10倍もの価格が
ついていると言います。

プレゼント用、
あるいはジョークで買う個人もいるようです。

明らかに富裕層なのですが、
高い金額を払う価値があるほど、
面白いスイカだと思っているのです。

日本では、ただの「巷の面白ニュース」ですが、
海外に渡ると、高額取り引きされるほどの
衝撃ニュースなのかもしれません。

本来の目的からは大きく逸れてしまいましたが、
夏の風物詩として定着する可能性はあります。

posted by 佐藤きよあき at 08:39| Comment(0) | 販売促進・集客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする